市場共生経営について
長年、半導体業界において売上高世界一を誇ってきたテキサス・インスツルメンツ社は、昨年末までに業界第3位へとすべり落ちました。
日本の富士通、NECの後塵を拝したのです。
昨年半導体の売り上げは2億ドルにとどまり、半導体チップで税込み収益5億1600万ドル、売上高2億7000万ドルをあげた1984年の水準に回復するだけでも大変な道のりです。
何十年にもわたりテキサス・インスツルメンツ社は、その技術力と生産力における圧倒的な強さで世界の半導体業界を支配してきました。
長年テキサス・インスツルメンツ社に勤務する従業員によれば、この成功こそが経営幹部にテキサス・インスツルメンツ社が失敗することなどありえない、と信じこませる原因となってしまったのだといいます。
成功に対するこういった態度が、テキサス・インスツルメンツ社を、急速に変化するマーケットから孤立させてしまいました。
そしてこの孤立性がマーケティングの大失敗を引き起こし、デジタル腕時計、ホーム・コンピュータといった消費者向け製品での大敗を招いてしまったのです。
「わたしたちはどうしようもなく傲慢だった」
・・・とセミコンダクター部門の部長は語っています。