人間の健康状態への被害
当時の東ヨーロッパ諸国とソ連で公表された最近のデータのうち、人々の健康に関する統計ほどショッキングだったものはないでしょう。
汚染のひどい地域では、短命化やガンの急増、その他いくつもの病気の発生などが記録されていました。
とくに影響の強く出ている土地の人々にとっては、わざわざ統計数字を示されるまでもありません。
チェコスロバキアのボヘミア地方北部には重工業の工場や発電所が集中していますが、ここの住民は、支払われる補償金を「埋葬資金」と呼んでいるほどです。
環境要因が健康におよぼす影響は、より一般的な健康障害の要因と重なりあうため、因果関係をはっきりさせることは不可能です。
食生活が貧弱なことや、喫煙率や飲酒率が高いことなどは、健康を悪化させる要因であると考えられます。
医療が完備していないことも、もう1つの要因です。
・・・このように、いくつもの要因がからまりあうことによって状況がさらに悪くなっています。
そのようなわけで、環境汚染という要因がこの地域の健康障害にどのような影響を与えているのか、正確に突きとめることは難しいでしょう。
しかし、裏づけとなる証拠はいくつもあって、環境汚染が重要な要因であることは推測がつきます。