国境なき大気汚染 5
エルベ川は、毎年10トンの水銀と24トンのカドミウム、142トンの鉛を、旧西ドイツ領内を通って北海へと運びます。
カスピ海には、ロシア国内で1年間に出る28・6立方キロの有害廃水の40パーセントが流れ込みます。
そのほとんどはボルガ川によって運ばれたものです。
黒海には、工業廃水から4300トンの窒素化合物と900トンの石油生成物、600トンの鉛、200トンの洗浄剤が流れこみます。
その多くはドナウ川とドニエプル川により運ばれるのです。
バルト海の海岸線のうちポーランドとドイツ東部とロシアが占めるのは3分の1にすぎませんが、窒素化合物の46パーセント、有機性廃棄物の53パーセント以上がそれらの地域から排出されます。
なかでもポーランドのビストラ川が最たる汚染源となっています。
こうした湖や海域の破滅的な状況は、各国の経済にも大きな打撃を与えています。